約 1,167,096 件
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3079.html
1 【種別】 魔術理論 【元ネタ】 Wikipedia - シジル 【初出】 とある魔術の禁書目録SS 第6話にて、バードウェイの使おうとした術式の中に一言だけだが言及あり。 詳細は新約六巻 【解説】 近代西洋魔術の理論の一つで、 この世界と重なるように存在する別位相にあるとされる『天使の力』を引き出し、 物品などに封入する技術。 ヘブライ文字を特定のパターンで配置した『薔薇』の紋様を参考に、 呼び出したい天使の名をなぞる形で符を作る。 聖人であり近衛侍女でもあるシルビアが利用する技法であり、 自分の力が「周りを巻き込まず、刺客だけを撃破できる」ように、 自ら力を押さえ込むための結界として採用している。 そのため、本来の用途である『天使の力』を得るというよりも、 「強大な力を適切にガイドして流し込む」という召喚儀式の為の結界という側面が強く出ており、 結界を力を囲うためのただの壁として扱うのではなく、 精密機器の半導体のように必要に応じて通過と封鎖を切り替え、 聖人という大きな力の奔流に精緻な機能を与えることに成功している。 戦闘においてはシルビアの持つロープをなぞるように展開される『天使の力』の壁を使い、 空気を押さえ込む『手』を作り上げることで、 ロープの輪の中にある「空気の塊」にコマのような回転を与えて打ち出す攻撃を繰り出す。 強大な力で回転を加えられた空気は衝撃波の渦となり、複数の方角から標的に叩き込まれる。 一つ一つの渦がビルを倒壊させるクレーンの鉄球より巨大で、 地下シェルターすら生き埋めにするレベルの威力を持つ。 ロープを引くシルビアの聖人としての腕力のほか、 使用する天使の名前を『神の力』から『神の薬』へ、 『神の薬』から『神の如き者』へ、『神の如き者』から『神の火』へ・・・・・・ と次々と変えることで相生を狙い、効果を高めている。 これも近代西洋魔術の技法のひとつで、タロットカードに用いられる四属性の相性を利用したもの。 今あるカードの隣に何を置くかで、一枚のカードに込められた複数の記号の内、 使える記号、やっかいな記号を強める、という思想の応用である。 単一の『天使の力』に特化した、かつての『神の右席』とは異なり、 四属性の一つ一つは彼らに及ばずとも、 総体としてのバランスで相手を上回ろうとする魔術であると言える。 2 【種別】 魔術 【元ネタ】 1のリンクにある、オースティンが編み出したほうのシジル? 【初出】 とある魔術と科学の群奏活劇 【解説】 近代西洋魔術の一つ。 パンタグルエル(未編集)がロンドネットの利用規約にこの技法を応用した魔術的な誓約を組み込んだ。 土御門や神裂が読んだ利用規約の中に知っている単語があったことから、文章を用いるオースティン・スパーのシジルと思われる。 シジルの技法を応用し近代西洋魔術の流れを汲んでいるだけで、魔術の流派のどれともつかない新方式らしい。 学園都市とロンドネットを対応させ、ロンドネット加入者のパラメータを操るために組み込まれたと思われる。 ロンドネットを利用するものはすべてこの魔術の影響にさらされることになるが、 最終的には学園都市で生活する者すべてを対象とするために、 公共料金や一般検索などのマシンのプリセットと絡めることで学園都市製の情報端末すべてにロンドネットが入ってしまった。 効果としては個々の人間が持つパラメータを自由に改ざんすることで、改ざんした人間の情報や能力を自由に操ることができる。 位置情報パラメータを変化させることによる空間移動、肉体的な特徴のパラメータバランスの改ざんによる身体能力の変化をロンドネット加入者すべてに行える。 そのほか感情の操作、不要な情報の削除、他者の意識を休眠で落とさせることなども可能。 唯一上条は幻想殺しを無意識に使ってしまったため影響されなかった。 ゲーム中ではパンタグルエルが人々の位置情報パラメータを操って白井を含めた多くの人間をエンデュミオン前へ空間移動させたり、 神裂の聖人という特性のパラメータを取得し、パンタグルエル本人のパラメータを神裂と同質に改ざんすることで、 一時的に聖人並みの身体能力を得て上条らを圧倒する。 しかし加納詩苑の粒子で実体を持ったミサカネットワークと競合することで部分的にフリーズし、 術者が消えたことで効力も失った。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3110.html
【種別】 人名 【初出】 とある魔術の禁書目録-エンデュミオンの奇蹟- ただし、とある魔術と科学の群奏活劇の方が作品のリリースは早い。 新約九巻で名前のみ登場 【CV】 三澤紗千香 【解説】 宇宙エレベーター『エンデュミオン』開通に賑わう学園都市で、 上条当麻とインデックスが出会った『無能力者(レベル0)』の少女。高校一年生で、自身の発言よりおそらく所属は霧ヶ丘女学院と思われる。 毛先を結んだ鴇色の長髪と、鳥のエンブレムがついた水色の鳥打帽子が特徴。劇中で歌姫として活躍する際は、様々なアイドル衣装に変遷する。 本編開始の3年より前の記憶を失っており、今の名前は施設で与えられたもの。 性格は明朗快活だが、インデックスへの突っ込みに咄嗟にアイアンクローを繰り出したり、 食事中に「歌を歌って」とねだられてデスメタ調の曲を口ずさむ等、若干ズレた部分も。 また、その食欲はインデックスが認め、意気投合するほどに旺盛。 歌うことが好きで、路上ライブを行いながらメジャーデビューを目指しているほか、 ライブでは自主制作CDを配布したり、インターネット上でも彼女の楽曲がダウンロードできる。 既に一部では人気が出始めており、 噂好きの佐天涙子も歌手「ARISA」の情報をキャッチしていた。 その正体はオリオン号事件の際、シャットアウラ=セクウェンツィアの『大事な物を失ってもいいからみんなを助けて』という祈りが奇蹟という形で具現化した存在。 彼女の『音楽の才能』を宿した少女の肉体を持ってこの世に現出し、その能力でオリオン号の乗客乗員87名の命を救ったと言われている。 その代償としてシャットアウラは『音楽を認識する脳機能』と『父親』を失った。 またアレイスターによると、レディリーがオリオン号に施した術式も、彼女が生まれた原因のひとつであるらしい。 魔術側からは聖人あるいはそれと同等の何かを持っているとされており、イギリス清教が監視していた。 このように超常的な存在でありながらも、上条当麻の幻想殺しで触れられても消滅しなかったところから、 魔術でも超能力でも説明のつかない存在となっている。 ゲームでは神裂に監視され、聖人かどうか見定められている。聖人判定というものらしい。 九月十一日ではストリートライブをしていたとき、スキルアウトに絡まれていたところを御坂美琴に助けられる。 その時彼女の電話番号をもらっている。 劇場版のストーリーでは、奇蹟を起こすその体をレディリー=タングルロードにかけられた不死の呪いを解く魔術の核に利用されそうになる。 終盤に真実の記憶を思い出した彼女とシャットアウラが再び一つに戻り、その歪曲が奇蹟を起こし崩壊寸前だったエンデュミオンから観客や学園都市を救った。 その後どうなったかははっきりと説明されていない。 少なくともシャットアウラの中に解けて彼女の好きなものを思い出させたのは事実である。 その生まれ方の性質上異能の分類に入るにもかかわらず、幻想殺しに触れても消えなかった。 それを置いても上条は彼女を「幻想なんかじゃない」、「歌の好きな普通の少女」として以前と変わらない目で見ている。 【口調】 特徴的な部分はないが、上条の事を「当麻くん」と呼ぶ貴重な存在。 例)「インデックスちゃんと当麻くんて、どういう関係?」 【余談】 彼女が起こしたとされる奇蹟には必ず傷つく人が現れる。 オリオン号事件のときにはディダロス=セクウェンツィアが死亡し、 ライブの爆破事件では上条当麻が頭をけがしている。 また、漫画版のおまけ漫画で日課として歌いながら散歩をしている。 歌っていると周りが見えなくなるとしているが、「3巻の上条と一方通行の決戦」と「8巻の残骸を巡る黒子と結標の決戦」の作中の初期で高レベルの戦いに「戦ってる場面の近くにいるのに戦闘に巻き込まれていないどころか、その戦いの当事者にさえいることを気づかれていない」というあり得ない体験を無意識のうちにしている。 更に言えば3巻の戦いでは二人の台詞から上条が駆けつけた時から一方通行がプラズマを作ったときまで近くにいた可能性もある。 鳴護アリサは「願いの集積体」であるという点で、上条当麻の『幻想殺し』や、上里翔流の『理想送り』と非常によく似ている。
https://w.atwiki.jp/jyumawiki/pages/3081.html
アニメ 年表-2010年 2010.10.08 TV - とある魔術の禁書目録Ⅱ アニメ 年表-2010年
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/1524.html
始まりは種も仕掛けも無い一発の弾丸。 それは一人の不幸な少年の胸を貫いた。 少年の名は上条当麻、彼の死によりとある世界が回り始める。 「インデックスは、とうまの事が大好きだったんだよ?」 とある世界の白い病室で、白い神父が透明な少女に告げた。 「…あれ、俺死んでない?」 不思議そうに首を傾けた上条当麻は、穴が開いたはずの胸に手を当て。 ふに。 柔らかく盛り上がった二つの山に触れて固まった。 少女の身を介し、少年は自らが過去に在ることを認めた時。 世界は回転を速め始める。 何処かの世界の何時かの未来に死んだ友に向けて土御門元春は囁く。 「なあ、カミやん。本当にこの世界は終わらせて善いのかにゃー。」 遠い世界の遠い場所で勝手に死んだ少年と今いる少女のために御坂美琴は叫ぶ。 「どうしてあんたが自分の幸せを否定しなきゃならないのよ。」 悲しい世界で消えた幸福と共に死んだ不幸に神裂火織は問う。 「あなたが不幸である事は貴方が望んだ事でも、私達が望んだ事でも無いというのに。 何故あなたが不幸となるのでしょうか。」 辿り着く事の無い世界で願いを抱いて死んだ異常者をステイル・マグヌスは罵る。 「どこで君が死のうと僕には関係の無い話だ。 だけどね、あの子を傷つける事だけは赦さないと言った筈だ。」 嘗ていた世界の覆せない過去に死んだ幻想を求め禁書目録は謳う。 「大丈夫だよ、とうま。何度だってやり直すから。」 終わった世界、終わった物語の主人公は立ち上がる。 造られた安寧の日々を捨て、上書きされた世界の幕を開けるために。 「こんな誰かの世界を踏み潰して得た今が幸せだって言うのなら、俺は不幸のままでいい。」 砂上の楼閣のように、脆く儚い願いで出来た世界が軋む。 「俺は不幸だった。けどな、それ以上に幸せだったんだよ。」 還るべき世界でいつか父に告げた言葉。 「夢を見る頃はとうに過ぎてんだ。 まだ、こんな造り物の幸福に囚われ続けるって言うのなら…。 俺はこの世界ごと、その幻想を殺し尽くす。」 幻想である少年の心を宿した少女は、固く握り締めた右手を白い神父に突き出した。 そして、 願いを重ねた世界が終わり。 望んで見た夢から醒めた。 優し過ぎた幻想は消える。 幻想殺しの少年は静かな死に向かい。 幻想殺しの少女は透明な未来に生まれる。 さようならとはじめましてを、もう重なる事の無い世界に。 とある世界の瓦礫の中心で座り込む少女は、酷く透明な仕草で首を傾げた。 「わたしは、誰?」 窓の無いビルでビーカーに浮かぶ『人間』は笑みを思わせる表情を浮かべた。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/1198.html
【種別】 人名 【初出】 とある魔術の禁書目録SS第二話 本編初登場は新約二巻(台詞のみ) 姿を含めた本編初登場は新約十四巻 【CV】 天野 聡美 【解説】 『明け色の陽射し』のボス、レイヴィニア=バードウェイの妹で、 必要悪の教会から背信者として手配されている少女。年齢は12歳。 彼女自身は魔術とは何の縁も無い普通の少女だが、 姉の立場から利用価値があると判断した『必要悪の教会』が協力を要請。 しかしこれを拒否したために、背信者と認定された。 『碑文の欠片』の一件後もなんだかんだ『明け色の陽射し』関連で(本人は気づかないが)魔術トラブルに巻き込まれている。 事件に巻き込まれた関係でステイル=マグヌス、テオドシア=エレクトラとも面識がある。 どうみても不可思議な力を操る彼らを即座に味方と判別するくらいには純真無垢。 学校の成績は首席クラスで飛び級の候補に上がっている。 ネットで論文を公開した反響で、イギリスの大規模海洋調査船『ブルーリサーチ』に招かれたことすらあるほど。 さすがに即戦力とはいかないが、「優秀な人材をキープ」するために各国の機関からわりと厚遇されている。 魔術に関わりの無い一般人であるため思考は科学サイド寄りであり、 魔術現象をあくまで常識的に解釈しようとする。 そのため、レイヴィニアやマーク=スペースは頭痛が止まらない。 姉には魔術のことを抜きにしても頭が上がらず、よくいじめられているが、 実際には「目に入れても痛くない」レベルで溺愛されている。 「ううううううわああああああああッ!! そんな、そんな『今から彼女が宇宙で一番面白いこと言います』みたいな盛り上げ方をされたら、 もう何も言えないに決まっているじゃないですかーっ!!」 その後も順調に経験を重ね、この年齢にして博士号を獲得し、大学主導のプロジェクトを回している。 学園都市やその協力機関から委託を受けて、研究所や実習船にゲスト研究員として招かれることも。 現在までに発表された論文は20本以上で、 参加するかどうかで論文発表フォーラムのマスコミの喰いつきが変わるため、色んな学閥が手ぐすね引いている状態。 有能な研究者・調査員として各地に招かれていたが、 大学側からの客員研究員として南極調査活動に参加した際に、 発見された謎の生物『サンプル=ショゴス』に寄生されてしまう。 学園都市が後方支援として参加していた事から、 最初は『外』の協力機関へ、その後たらい回しにされて学園都市内部まで送られた。 しかし学園都市の設備でも事態は好転せず、パトリシアごと病院から逃亡。学園都市の中を徘徊する事になった。 パトリシアの状況を知ったレイヴィニアは解法として『カニバリゼーション』の術式を用意したが、 『サンプル=ショゴス』の防衛反応に操られる形でレイヴィニアと戦闘を繰り広げる事になった。 その騒動の中、上里翔流とその仲間である『上里勢力』に保護され、 上里達に自身の境遇を語る。 上里は『サンプル=ショゴス』の除去が難しい事を踏まえ、 パトリシア自身ごと『理想送り』で消滅させる手段を提案したが、 「姉を救いたい」という強い思いからこれを拒否。 実際に『理想送り』を受けても「理想郷を望む意思」がなかったため影響を受ける事がなかった。 レイヴィニアが自分を救うために命を削っている事を察しており、 それを止めるため『上里勢力』に協力を仰ぎ、レイヴィニアの『カニバリゼーション』と激突した。 その後、上条当麻の発案による作戦で、 暮亞の能力による協力を得て『サンプル=ショゴス』の摘出を試みたが失敗。 パトリシアの体外へと出ようとするショゴスに対して、 『幻想殺し』をかざす事しかできない上条当麻という打つ手無しの状況に陥るが、 『理想送り』で99%の肉体を削り取られたネフテュスが自らを犠牲にし、 自らの肉体をパトリシアが失った脂肪分へ変換、 拒絶反応を防ぐために完璧なパトリシアの一部となることで命を助けられた。 束の間、生死の境をさまよっていたパトリシアは、彼女の声を聞いていた。 その声は鼓膜を叩いて伝わったわけではなく、上条達にも姿が見えたわけでもなかったのだろう。 しかし、パトリシアは確かに、彼女の声を聞いていた。 「強いて答えるなら、神様かしらね」
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/143.html
【種別】 人名 【元ネタ】 アステカ文明の料理の一つで、トウモロコシと豆を入れた煮物または粥。 ナワトル語。ラテン文字転写例:Etzali アステカ文明では、雨季が始まる6月の初旬に、雨の神々への祭りが執り行われていた。 この祭りが始まると、各家庭でエツァリを作り、また鍋を持って他の家へもらい歩いて豊饒を祈願した。 【初出】 五巻 本名は十五巻 とある科学の超電磁砲 第四十話 【CV】 海原に変装しているときは 岸尾だいすけ 本当の声は別のものとされている 【解説】 組織からの命令で学園都市に潜り込んでいたアステカの魔術師。 自身の報告の結果上条勢力を潰す命を受けた。 属する組織も上条勢力のように科学魔術両サイドに跨っており、超能力にもかなり詳しい。 変身魔術を利用して上条勢力を内側から崩壊させる計画だった。 海原光貴の姿を借り、 黒曜石のナイフを用いた魔術トラウィスカルパンテクウトリの槍で上条に襲い掛かるが、返り討ちにあう。 もっとも彼自身は美琴が好きだったこともあり、戦いに乗り気ではなかったらしい。 組織を抜けた現在でも海原光貴の姿を借りており、 土御門らと共にグループの一員として暗躍している。 変身魔術を常時使っている影響か、一方通行は彼が近づいて来ると、 自分の意思とは無関係に指先が震え胸に圧力を感じるらしい。 十九巻でドラゴンに関して魔術サイドの観点から発言しており、 自分が魔術師であることをグループには隠していない模様。 また、本来の姿は褐色肌に黒髪とショチトルらと共通する容姿をしており、身長も海原の時より若干低め。 御坂美鈴襲撃事件では学園都市上層部に対して暗躍。 「彼女はもう回収運動を推進する気がないので殺す意味もない」という結論を受け入れさせ、 「少しだけ肩に力が入りすぎてしまった」とサワヤカ笑顔で答えていた。 結標淡希によれば「おそらくよほど醜い手を使ったのだろう」との事。 十五巻における暗部抗争編では、ブロックのメンバーの一人山手に図らずも変装してしまい、潜入。 機をうかがって『ブロック』が目論んでいた計画を破綻させる事に成功し、その後他のメンバーと合流し、第一〇学区の少年院へと赴いた先で、 かつて同じ組織に所属していた魔術師の少女ショチトルからの襲撃を受ける。 組織を裏切った事への粛清のため、相手の武器を乗っ取る自殺術式やマクアフティルによる攻撃に苦戦するも、 ショチトルの実践経験と知識の無さを突いて、戦闘不能にする。 しかし、ショチトルの肉体は組織による魔道書の『原典』暦石を使った改造を受けた事で、 肉体は限界を迎え、崩壊を始めてしまう。 ショチトルを死なせないため、魔道書の判断能力を騙した上で『原典』を引き継ぎ、ショチトルを生かした。 『暦石』を手に入れた事で、苦しみながらも徐々に内容を理解し、己の力へと変えていっている。 潮岸の元に潜伏していたテクパトルと戦った際にはその力の一端を発揮。 テクパトルが持つ原典で『暦石』の別の派生である、『月のウサギ』の記述による魔術砲撃と渡り合う。 その戦闘ではシェルターを撃ち貫く閃光の弾丸を広げた巻物の盾で弾き、巻物から生じた粉末の嵐で反撃。 同時に原典からの補助により、防ぎ損ねた弾丸を上半身に受けても五体満足でいられる強固な肉体も得ていた。 戦いの最中、『月のウサギ』を写本したことで原典に気に入られ、 テクパトルを殺して切り捨てた『月のウサギ』の新たな持ち主となり、 その見返りとして原典を使いトチトリの生命維持をさせることに成功する。 新約二巻では病院でショチトルとトチトリを見舞っていた。 なお、ショチトルとは組織内では師弟のような関係にあり、義兄妹に似た仲であった様子。 病室で彼女と二人きりになった際には「エツァリお兄ちゃん」と呼ばれている。 【口調】 変装している人物の姿に合わせていると思われるが、海原光貴の姿では相手を問わず常に敬語で、一人称は「自分」。 ショチトルによれば、本来の話し方は全く違うものらしい。 例)「は、あれ? 自分は確かに海原光貴ですけど、どうして名前を知っているんですか?」 【余談】 「超電磁砲」では「禁書目録」五巻の様子が描かれており、そのとき美琴をアステカ展に誘っている。
https://w.atwiki.jp/index-ss/pages/317.html
夕焼けが学園都市(まち)を染めるころ、上条は家路に着いていた。 あの後、ボロボロにされながらも吹寄の誤解を解いた上条は(間違いの意味を知ったサーシャによる八つ当たり追撃はあったものの)、もう一度木材を買いに行かされた(粉砕した当人にそれを命令されるのは理不尽だと思ったが)。 余計に余計な手間を重ねて木材を大道具係の生徒に届け終わり、その後も下校時刻になるまで作業をしていたのだ。 大道具係他何名かの生徒は残業組としてまだ作業を続けるらしい。その中にやけにやる気に満ちた青髪ピアスを見つけて上条はかなり驚いたのだが、 『なあカミやん。僕は気づいてしまったんや。看護婦さん婦警さん女教師さん、職業萌えは数あれど、いまだかつて大工さん萌えを唱えた男はおらへんかったということに。でも想像してみぃ? 夢のマイホームを建てるために清らかな汗を流して働く女の子を。ノコギリの刃で切ってもうた指を「失敗しちゃった……」とかいいながら涙目でくわえる美少女の姿を! どうやカミやん、これを聞いてもまだ居残りせんと帰るなんて言えますか!?』 上条は無言で彼の背後を指差した。そこには運動系クラブから寄りぬかれた筋骨隆々の大道具係たちがポージングつきで青髪ピアスを待っていた。 あれからどうなったのか、上条は想像さえしていない。とにかく一端覧祭の準備は滞りなく進んでいると言える。 もし上条にとって問題があるとすれば、それは、 「問一。貴方の居住地はこの近くなのか?」 校門を出たところからずっとついてきているこのロシア人シスターだろう。 いや、正確にはホームセンターで木材を買い直している時からサーシャは上条の後ろを歩いていた。教室までついてこられたりしたら吹寄なり青髪ピアスなりに何を言われるかわかったものではなかったので、校外で待っていてもらったのだが。 上条は少し歩幅を緩めて、 「そうだけど。何、疲れた?」 「解答一。問題ない。この区画の建物がそれほど立派でないのが気になっただけ」 「……放っといてください」 もともと上条の高校は「極めて特徴のない一般的な学校」である。最近はその域を脱しつつあるようだが、それですぐ学生寮が豪華になるわけはない。 女の子を連れて家に向かうというと普通ならばドキドキイベントの一つも起こりかねない状況だが、上条の生まれ持った不幸はそんな甘い希望など前提から粉々にしてしまっている。 狭い裏路地に差し掛かったところで、上条は聞いてみた。 「あー、ところでサーシャ」 無表情ではないが今一つ感情の読み取りにくい顔に薄い疑問の色が浮かんだのを確認して、 「そろそろ教えてくれねーか? 今学園都市で何が起きてんだよ」 「私見一。その質問はこれで七回目だと思われるのだが」 「いーから教えろ」 「解答二。その質問に今答えることはできない」 サーシャは先の六回と同じく、淡々とそう言った。 ホームセンターでも道端でも校門前でも上条は同じ質問をしたが、帰ってくるのも同じ返答ばかり。正直上条としては、事情のわからないままサーシャを“彼女”と引き合わせるのは気が進まないのだが、 (でも土御門の紹介ってことだし……………………………………よし、あてにならない) 上条の隣人、土御門元春は魔術サイド、科学サイドの両方に精通した多角スパイという超絶隣人である。 サーシャが言うには、彼女を学園都市に招き入れ、制服身分証明その他の世話をしたのは彼であるらしい。 今回の事件とやらが「魔術」サイドの問題であるなら、仲介役として土御門の名前が挙がるのもわからないでもない。しかし上条が「あてにならない」と考えてのは彼の人格を鑑みてのことである。 土御門は目的のためなら手段を選ばない。“たとえどれだけ自分を傷つけても”最良の結果が得られる道を選択する。 そして、その手段には種々様々な“嘘”も含まれる。基本的にいいやつなのだが、うかつに現状だけで判断するとどんなどんでん返しが待っているかわからない。それが土御門元春という男だ。 今日、上条が買い出しに出るまでは衣装係としてテキパキ働いていたはずの土御門だが、サーシャと会って戻ってきた時にはすでに早退していた。サーシャに適当な情報を与えた罰として(ついでにストレス解消として)二、三発殴ってやろうと思っていたのだが。しかし逆に言えばこれは、土御門がこの件に関わっていることの証明でもある。 (とりあえず、何が出てきても驚かない覚悟は必要だな。ま、神裂に学生服着せて突撃とかさせなかっただけマシだろ) とても十八とは思えないウエスタンルックサムライガールを思い出し、上条はこっそりため息をついた。 そうこうしている間に、上条の住む学生寮が見えてきた。 直方形のコンクリート建築。こう言ってはあれだが、確かに立派そうには見えない。 「私見二。取り越し苦労であればそれに越したことはない」 不意にサーシャが口を開いた。上条は思わず振り返る。 重そうな手提げ袋を揺らしながら、サーシャは続ける。 「補足説明一。ロシア成教がイギリス清教に禁書目録の閲覧を要請したのは、今私が知っている未来予想が杞憂であることを証明したいがため。最も、要請が通った時点ですでに異常事態であるとも言える」 上条は告げられた言葉を吟味する。 そう、サーシャが上条についてきた理由は禁書目録――あの十万三千冊の魔道書の知識を得るためだ。 力ずくで奪いに来たのならば、上条は例え相手が年下の女の子であろうとも本気で殴って追い返すだろうが、今回はそうはいかない。サーシャの所属するローマ成教は、正当な手続きをもってイギリス清教から許可を得たらしいからだ。 どんな皮肉だ、と上条は思う。常に世界中の魔術師から注目されている“彼女”の周りで魔術的事件が起こったなら、それだけで幾多の魔術結社が動き出す切欠に成り得る。しかしイギリス清教からの正式な任務を全うできなければ、“彼女”は学園都市にいられなくなるのだ。 きっと“彼女”は泣くだろう。その事実は有り難く、その結果はあってはならない。 となると、あとは上条が死ぬ気で頑張るしかないのだが…… ちら、と見たサーシャの手提げ袋。やたら重そうな中身の全てが大工道具に見せかけた拷問器具だというのだから(まあ青髪ピアスは喜ぶかもしれない。くわえた指についた血はサーシャのものではなかろうが)、これほどの装備が必要と予想される事態がもし「取り越し苦労」でなかった場合どんなことになるのか。 (つーかあれですよ。もしかしてサーシャが派遣されてきたのって、この時期なら大工道具持って街を歩いてても不自然じゃないからとかそんな理由なんでは。それよりもこのまま“あいつ”と会わせたらめでたく紅白シスター対決ということになるのか。いやサーシャは今学生服だし決して断じてかろうじてまたあの衣装に着替えて欲しいなんてそんなふしだらかつ不健全な考えは浮かんでおりませんうわなんかど壺にはまってきた気がする!?) 「問二。貴方はさっきから何を興奮しているのか?」 「ぐはっ!? すみませんすみませんこの通りですからあの赤い靴コサックダンスだけは勘弁してください!」 いきなり平謝りしだした上条に面食らったのか、サーシャは大きな目をさらに見開き、 「……私見三。この街にはおかしなしゃべり方をする人間が多いという事前情報は正しかったようだ」 「…………てめぇにだけは言われたくないと上条さんは締めくくります」 感心しているのか呆れているのかわからないサーシャの台詞を、上条はぐったりと受け流した。取り立てて特徴も何もない玄関を抜けて建物の中に入る。 しかし、エレベーターに向かおうとしたその時、 「私見四。確かにこの問題は靴にまつわるものではある」 「…………は?」 さりげなく付け加えられたその言葉こそ、どういう意味を含んだものだったのか上条にはさっぱりわからなかった。 ついでに。建物の影から清掃ロボットに腰掛けたメイド服少女がじっと見つめていたことも上条にはずっぱりわからなかった。少女の右手には通話モードの携帯電話。 開錠。開扉。開口。閉口。 淀みなくプロセスが進んだ結果、上条は銀髪シスターに脳天をかじられた。 「うおおおおおっ!? イ、インデックス。何故お前サマはドア開けたところで待ち構え学校から帰宅した家人さんにお帰りのカミツキ攻撃を仕掛けますか!? 犬歯、犬歯がつむじにピンポイントで刺さるっ……!」 「まいかから電話があったんだよとうまがまた女の子連れ込んだって今夜はお楽しみかちびっこ二人相手なんてかみじょうとうまもやるなって言われたんだよもうとうまのばかばかとうまばかばかとうまばかとうま!」 「ばかが多いだろ絶対! それに一応言っとくけど今回はお前の客だから!」 「リセットして私見一。『今回は』という発言から察するに、そのくらいの罰は受けておいたほうがいいかと」 「事態をややこしくするようなこと言いながら一歩後ずさるなサーシャ。ほれインデックスもいい加減降りろ。このままだと話もできないし」 上条の上半身にしがみつき断続的に噛み付いていた少女は、その言葉でしぶしぶと床に降りた。 サーシャとほぼ同じ背丈の小柄な体を白地に金糸で彩った修道服で包んだ銀色の髪の少女。 彼女こそが、一度見たものは決して忘れない完全記憶能力を持ち、その小さな頭に十万三千冊もの魔道書を丸暗記しているある意味核爆弾などよりよっぽどぶっそうな存在――名をインデックスという。 もろもろの事情あって絶賛居候中の彼女はたいそうご立腹らしい。 インデックスは触れるだけで火花が飛びそうなほどのイライラを隠しもせずに、サーシャと上条を見比べて、 「とうま。私のお客さんってどういうこと?」 「あー、それも説明するけど。とにかく上がらねえか? 玄関で立ち話もなんだろ」 うう、と不満そうな顔をしながらも、インデックスは部屋の中へと駆けて行った。冷蔵庫を開ける音が聞こえたから、一応おもてなしをするつもりなのかもしれない。 上条は背後のサーシャに向き直り、 「えーと、とにかく上がってくれ。狭いところだけど。あ、靴はそこで脱いでくれよ?」 「解答一。了解した。自分の身は自分で守ることにする」 こいつら俺のことをどんな目で見てやがる、と上条は思ったが、怖い答えが返ってきそうだったので口には出さなかった。 案内がいるほど広い部屋でもないため、特に何も言わずリビングに向かう。床にはいろいろなもの(主にインデックスが読んだまま放置している漫画や雑誌)が散らかっていたが、お客様は気にした風もない。邪魔な場所にある何冊かを適当に片付けて、二人は部屋の真ん中に置かれた背の低いガラステーブルの前に座った。 そこへインデックスがお盆に麦茶の入ったグラスを三つ乗せてやってきた。科学音痴のインデックスはいまだに電子レンジは使えないが、冷蔵庫はただの「中が冷たい箱」だと割り切れば怖くないらしい。グラスをテーブルの上に並べると彼女も座った。紅白シスターが向かい合い、彼女らの間に上条がいるという構図である。 まだ痛む頭をさすりながら、上条は麦茶を一口飲んで喉を潤した。 「えーと、インデックス。この人はロシア成教のシスターのサーシャ=クロイツェフ。お前に聞きたいことがあってはるばる来たらしい」 続いて反対側を向き、 「んでサーシャ。こいつがお探しの禁書目録――インデックスだ。ちゃんと会わせたんだから、いい加減何が起きてるのか教えてくれよ?」 制服シスターは答えず、じっと銀髪シスターを見ている。対する側も上条の説明ではまだ納得がいかなかったらしく呪いのこもった視線で睨み返していた。 インデックスが鼻で笑った声を出す。 「ふん。ロシア成教の人間が何の用? 言っておくけど他宗派の人間に魔道書の知識を与えることは禁じられてるんだから」 「解答二。まさしく私は禁書目録の知識を求めてここにやって来た。そしてそのための許可もイギリス清教から取り付けている」 え? とインデックスが目を丸くした。しかし困惑した顔を向けられても上条にはどうすることもできない。サーシャがそうだと言い張っていただけで、具体的にどんな「許可」とやらをもらってきたのかは知らされてなかったからだ。 サーシャはごそごそと床に置いた手提げ袋を探り、何か小さな物を取り出してテーブルの上に置いた。 「証明。イギリス清教最高主教(アークビショップ)ローラ=スチュアートよりお預かりしたものだ」 それは上条もそろそろ見慣れてきたもの――十字架だった。 一口に十字架と言っても宗派ごと、用途ごとに様々な種類が存在するらしい。科学寄りの上条には全く見分けがつかないのだが、しかしサーシャの取り出したそれにはなんとなく見覚えがある気がした。 そう。「法の書」をめぐる事件の時、一人の修道女の命をつないだ十字架に似ている気がしたのだ。 「これ……!」 インデックスはテーブルの上の十字架をパッと手に取った。色々な角度からためつすがめつし、その度に顔色を変えてゆく。 最後には真剣で敬虔なシスターの表情になっていた。 「純銀製の十字(クロス)。血で刻まれたレッドライン。聖ジョージ大聖堂つきの工房による一点もの。……間違いない、最高主教権限の委譲に用いられる勅命十字(クロスオブオーダー)だよ」 そんななんとか鑑定団みたいな解説をされても上条には何がなんだかさっぱりなのだが、ようは日本人に対する黄門様の印籠のようなものだろうか。インデックスの驚き様からすれば、どうやら尋常でないくらい強い権限を持つものらしい。 掴みあげた時とは対照的に恭しく十字架をテーブルの上に戻すと、インデックスは居住まいを正した。 「他宗派にこれを持たせるなんて、よほどの緊急事態なんだね。――うん、わかった。サーシャっていったね。何でも聞いてみるといいかも。ただし」 「保証一。貴方から譲り受けた知識は永久に私の内にのみ留めておくことを約束する。それがイギリス清教から出された条件であるので」 サーシャもまたスカートの裾をなおし、どこで習ったのかきれいな正座をした。狭苦しいリビングを緊張感が満たし、上条は数秒で息苦しさを覚えた。 ロシア成教のシスターはまっすぐにイギリス清教のシスターを見つめて、 言った。 「要求一。『零時迷子(ヌーンインデペンデンス)』について、貴方の知る限りの知識の提供を願う」
https://w.atwiki.jp/dadad/pages/25.html
名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/3067.html
【種別】 超能力 【初出】 とある魔術の禁書目録 頂点決戦・頂点決戦Ⅱ 【解説】 プレイヤー(主人公)が所持するレベル0?の能力。 戦った相手の異能を『複製』し、自分のものとして扱うことが出来る。 取得した異能はカードとして認識されており、 これらのカードには取得した異能の本来の持ち主が描かれている。 なお、カード化した状態のまま他者に渡すことも可能。 取得したカードには、能力の本来の持ち主の記憶もわずかに含まれており、 複数の人物の異なるカードを集めて微反応を示させることで、その人物達の『物語』が見られるようになる。 『物語』の数はカードの人物の記憶力に依存するようで、 記憶力の良い人物のカードからはより多くの『物語』を見ることが可能である。 ウサミミと出会ってから能力を磨き始めたため、その発展性は未知数。 戦闘に不慣れなプレイヤーは、ウサミミから与えられたブースターを利用し、 暗示による補強を行った上で能力を使用する。 ウサミミの口ぶりを聞くと、ブースターなしではそもそも能力を発揮できないと思われる。 最初に交戦することになった御坂美琴の『超電磁砲』を代表する超能力を始め、 魔術師であるステイル=マグヌスの炎剣といった魔術でもお構いなしに取得できる。 しかし幾度も対戦している上条当麻の幻想殺しを取得できた描写はない。 魔術も行使可能な多重能力者や多才能力といったところか。 また、取得した能力はプレイヤーの経験によって発展させることも可能。 ウサミミの発言からすると、少なくとも超電磁砲はビルを崩すほどの本家にも劣らぬ威力を発揮できるようだ。 プレイヤーはウサミミと共に、この能力を使い学園都市最強の能力者を目指す事になるが、 魔術すら取得できるその能力は科学・魔術サイドの『協定』を容易に犯すことから危険視され、 イギリス清教や学園都市の『闇』から命を狙われ、指名手配されることになってしまう。 複製能力の規模は多くの能力の取得によって成長することが確認されており、 能力が肥大化することで『事象』の複製まで可能とするまでになる。 作中ではインデックスの「魔道書の知識」や初春飾利の「ハッキング技術」等が取得された。 また、ウサミミの実験により再現された『0930』事件を経験し、既に終わった『過去』の情報すら取得している。 ウサミミの研究によれば、「あらゆる現象を取得する能力」であり、 一つの能力にして無数のAIM拡散力場を発する可能性があるという。 そのため、魔術による『死者の蘇生』が失敗した場合の第二プランとして、 限界を超えた暴走を起こす事で、取得した能力のAIM拡散力場から、 『擬似的な虚数学区』を生み出す事を考えられていた。 この場合は研究室の設備を用いて調整を行う事で、 風斬氷華のようなAIM拡散力場を束ねた存在として姉を蘇らせることになり、 実現した場合は状態の維持のため、プレイヤーは永遠に眠り続ける処置を受ける事になる。 実際にはウサミミの情から永眠処置は施されなかったが、 暴走によって溢れ出したAIM拡散力場は白い霧となり、 『多重偏影』と呼ばれる「取得した異能の持ち主を模した影」が生み出されてしまった。 ウサミミの姉・能兎栗とは、 たびたび「似た能力を持っている」と言及されていたが、 後に明かされた栗の能力が『没収』であるのに対しこちらは『複製』であり、 コピー元の能力が失われないという差がある。 暴走する栗との最終決戦では『没収』の能力を取得し、 『没収』を『没収』することで栗を無能力者化させ、暴走を食い止めた。 代償にブースターは破損し、今までのような出力が出せなくなってしまったが、 能力そのものは失われていないようである。 【関連】 →狂想片影(シャドウチューン) →多重偏影 →幻想擬体(AIMクローン) 【備考・未解決案件】 プレイヤーとウサミミが戦闘した際、ウサミミが口にした『空想写影』という単語については最後まで詳細不明。 イベント『堕天使"ヒューズ=カザキリ"降臨』においては、上述の通り『過去の現象』を取得することにより『0930』事件を再現した。 このイベントのエンディングでは、ある人物が一人の少女と会話しており、 その人物が言うには「私のプランとは関わりがないが、興味深い能力」とのこと。 ホワイトプレイヤーやレッドプレイヤーが持つ時間に干渉する異能との関係、 および禁書世界の時間論との関係は不明。 イベント『幻想擬体(AIMクローン)』においては、ウサミミがこの能力を利用して幻想擬体を作り出した。 イベント『「異世界からの来訪者」ブリテンの王』では異界から流入したカードを使用できることも確認された。
https://w.atwiki.jp/index-index/pages/2785.html
【種別】 人名(通称)・神名 【元ネタ】 北欧神話の神オーディンの『デンマーク人の事績』における名前[Othinus]。 名前に「オーディン」というルビが付く場合がある。 【初出】 名前のみ二十二巻の最後に登場 本人の登場は声のみ新約三巻、実際の登場は新約四巻(イラストはシルエットのみ) 全身像のイラストの初出は新約八巻 【CV】 瀬戸 麻沙美(メアリエ=スピアヘッドと共通) 【解説】 【人物】 【正体】 【能力・スキル】 【作中での行動】 【余談】 【鎌池和馬の他作品にて】 【関連】 【解説】 『グレムリン』のリーダーを務める魔術師であり、正真正銘の魔神。 正体は北欧神話の主神「オーディン」その人。また「オティヌス」でもある。 【人物】 ウェーブがかかった金髪に緑眼の、見た目十三~十四歳くらいの少女。 黒の革の装束を着ており、鍔広の帽子を被っている。 バゲージシティでは上から皮のコートを羽織っていた。 完全な魔神である故に、彼女は無限の可能性を内包する。 しかしそれ故の弱点も抱えており、 文字通りの「無限の可能性」は、あらゆる事象が「成功する可能性」も「失敗する可能性」も等しく担保してしまう。 具体的には、莫大な力を秘めた戦乱の剣や上条の右手を容易に握り潰す一方で、「半分魔神」に過ぎないオッレルスと右手を失ったフィアンマに撤退に追い込まれた。 成功する確率が五十%以上なら良かったし、その逆でもまだ対策が立てやすいのだが、 成功と失敗が完璧に五分五分な「無限の可能性」は彼女自身にも予想がつかない。 そこでこの厄介な「無限の可能性」を制御するべく、彼女は『主神の槍』を必要としていた。 オッレルス曰く、上条当麻の「不幸」はこの「五分五分」の可能性をも歪めるらしい。 魔術を極めたエキスパートとしての立場から、アレイスターの『プラン』の全容をある程度は推測していると語っている。 しかし、科学の知識が欠けているため確証を得られていないらしく、同時に「ベルシがいれば検証できた」とも語っている。 【正体】 元々オティヌスは各種史料で述べられる「主神オーディン」まさにその人であるという。 実は以前にも、彼女は好き勝手に位相を弄って世界を作り替えていた。 ある時、自分が手を加える前の「元の世界」の形を思い出せなくなり、 黒一色の世界で一人試行錯誤を続けて「幸せな世界」を創り出したが、その世界に疎外感を覚える。 その後も幾度となく世界を創り変え、最終的に「元の世界とほぼ完璧に同じ世界」を創り上げるものの、 常人の目では区別が付かないであろう「ほぼ完璧な世界」にすら、どこか違和感を感じていた。 何度も世界を創り変えても「元の世界」への糸口が見えず、黒一色の「迷宮」に囚われてしまう。 彼女は魔神の力を恐れて一度放棄し、「ほぼ完璧な世界」で妥協しつつもその世界で暮らしていた。 やがてその世界の違和感にも耐えられなくなり、今度こそ「完璧な世界」を元に戻すため魔神の力を取り戻そうとした。 それが新約での事件の発端であった。 仕掛けは大きいが、つまるところ彼女の目的とは「元の世界に帰る」、ただそれだけである。 【能力・スキル】 魔神であるため、全位相を超えた存在であり、 不完全な状態の時でさえ、一瞬の内に数千、数億の、時間の連続性すら歪める程の攻撃を繰り出せる。 オーディン本人として、北欧神話で戦争の神、詐術の神と称される通り、素の戦術眼や知識量、頭の回転も桁違い。 戦闘能力のない状態でも、作戦参謀役としての能力を度々発揮している。 「魔神」の力を失った現在でも、小規模な魔術を用いる事自体は可能。 神話中でムニンとフギンという2匹のカラスを使役したことから「鳥」と相性が良く、 魔神の力に頼れなくなった後は、鳥を操って移動手段としたり鳥の羽を介した術式を使ったりするなど、鳥に関するスキルを度々用いている。 記事のある能力は各リンク参照。 弩(いしゆみ) 死者の軍勢(エインヘルヤル) 主神の槍(グングニル)【オティヌス】 骨船(こつせん) 【作中での行動】 魔神の力を取り戻そうとした彼女は、 「『主神の槍』を完成に協力することと引き換えに、自分が魔神となったら願いを叶える」 ことを条件に正規メンバーを集め、「グレムリン」を結成。 第三次世界大戦の戦後処理に不満を持つ魔術師を使い捨ての戦力として利用しつつ、 ラジオゾンデ要塞(新約2巻) 『炉』のエネルギー抽出のためのハワイでの事件(新約3巻) 『全体論の超能力』実証実験のためのバゲージシティでの事件(新約4巻) フロイライン=クロイトゥーネ強奪のための一端覧祭での事件(新約5, 6巻) など、『主神の槍』完成のため「グレムリン」を使って数々の事件を起こした。 ただし、本来であればオティヌスは単身でも『主神の槍』完成は成し得たらしい。 しかしその場合は数多くの妨害が予想されたため、『グレムリン』を始めとした回りくどい手段を取ったのだという言及がある。 新約八巻において遂に『主神の槍』を完成させ、魔神としての力を完全に制御することに成功。 魔神として全能の力を使って上条たちの世界を消滅させた。 新約九巻では地の世界と(隠世以外の)全ての位相が破壊された「黒一色の世界」に残された上条を絶望の淵に追い込む為だけに、 世界を数千億回以上も創り変えた。 新約九巻で、彼女は上条という「制御しやすい器に入った幻想殺し」を手に入れ、その機能で「世界の復元」を試みる。 しかし幻想殺しを用いても納得のいく「元の世界」を生み出せなかった彼女は、 「元の世界に戻るために足掻く」という第一希望と「元の世界に戻ることを諦めて別の世界で生きる」という第二希望との間で葛藤を強いられることとなる。 そんな中、永きに渡る闘争の果て、彼女の方が上条より先に経時による精神的限界に達してしまったため、 やむなく彼女は「第一希望を完全に切り捨て、上条当麻を殺す」決断を下す。 妖精化による「失敗百%」を逆用し、魔神としての奥の手『弩』を解放することで彼女は上条に勝利した。 その直後に彼女は、「元の世界に戻る」というのは実はより大きな目的のための手段に過ぎず、 自分が真に求めていたのは「世界に対する違和感と疎外感」を共有する『理解者』であったことに気付く。 更に「元の世界を取り戻すために幾千億年も歪められた世界に立ち向かった」上条こそが『理解者』だったのだと気付いた彼女は、幻想殺しを用いて「元の世界」ではなく「上条当麻が生まれた世界」を復元する。 同時に『妖精化』が自分の体を次第に崩壊させており、どの道長くは持たないことを悟った。 しかしオティヌスの『理解者』となった上条は、彼女がただ殺されるだけという結末を許せず、 彼女に自分の罪をちゃんと償わせる為に彼女を守ってみせると宣言した。 上条の思いを理解したオティヌスは、体の崩壊を防ぎ、魔神としての力を捨て去る方法として ミミルの泉から、かつて魔神に昇華する為に捧げた『目』を回収して人間に戻ることを提案。 魔神として残った最後の力で『骨船』を使用して上条と共にミミルの泉を目指すこととなった。 道中、どんな状況になっても自分を見捨てない上条に頬を緩めるなど、心境の変化が見られる。 だがミミルの泉に到達したオティヌスは「自分は本当に救われていいのか?」と悩んだ末、 上条が『魔神オティヌスを救った罪』を背負うことを否定。 彼との戦いの中で死ぬことでその功罪をゼロに戻すため、上条に向けて再び『弩』を発動した。 上条は『弩』を乗り越え『妖精化』の光の杭を抜き取るも、既に魔神の力を使い果たしていた彼女の体は次第に崩壊。 最後に「上条が自分を救ってくれると言った時、もう自分は救われていた」と伝えると、光の粒子となって消えてしまう。 こうして死亡してしまったかと思われたが、実際には消滅を免れて全長十五cm程の大きさとなっていた。 本人は『自分はまだ目を入れておらず本質的に魔神のままであったため』、『弩は最後の一本まで放たれず、その前に幻想殺しで妖精化を破壊されてしまった』、『魔神は五体が砕けた程度で死滅するものでもない』と説明していた。 つまり未だ魔神であったため、残った部分が勝手に再統合し、かつての力ももう使えないが、自分の意思が残留してしまったという。 余りにもデタラメな話に上条だけでなく、傍にいたインデックスすら唖然としていた。 またオティヌス自身、『本当に自分の意思に介在しないで、『自動的に』肉体の再統合が実行されたのか』という疑問を抱いていた。 ロベルト=カッツェやエリザード達が下した、オティヌスへの罰は 『自殺してでも目を背けようとした幸せな世界を、一番近い場所で永劫に眺める』というもの。 一見生温いように思えるが、本質的に魔神のままであるオティヌスにとってはかなり皮肉が利いている。 また、理解者の上条はあくまで人間であるので当然寿命がある。 つまり漸く手に入れた理解者と一生添い遂げることができないというオティヌスにとっての最大の罰が待っている。 世界に許された訳ではなく、あくまで「執行猶予がついた」のである。 ちなみに新約10巻ではこの事を上条に伝えようとしたが、 オティヌスに興味を抱いていたスフィンクスに襲われ、その後きちんと話せたかどうかは不明である。 新約十二巻からは上条の学生寮の新しい居候として生活している。 上記の身体の所為で、スフィンクスからは非常食か猫じゃらし的なモノと認知されており、日々命懸の逃走劇を繰り返している。 サンジェルマンが起こした騒動では、魔神としての知識で上条にサンジェルマンの正体を説明したり、術式を解析する為にインデックスと共に彼をサポートした。 サンジェルマンの思考に感染され、死亡した能力者の亡骸を見て不快感を抱いたり、 上条に指先で頭を撫でられて「気安いぞ」と言いながらもされるがままだったりと、 デンマークの時よりも大きな変化が見られる。 オティヌス自身も上条による影響を自覚し始めており、「私も本格的に壊れてきたな」と嘆息していた。 新約十四巻では食材の買い出しに赴いた際、フライドポテトの悪口を言った上条の耳に攻撃したり、 魔神の貫禄をかなぐり捨ててじゃがバターを食べたがるなどしたことから、 じゃがいもを調理した食品が大好物の模様。とある魔術の禁書目録 幻想収束でもこれが再現されている。 どうやら上条の右肩(後に「所定の右肩」と表現される)が定位置となっているようで、 上条の肩の上から「魔神」としても「理解者」としてもアドバイスを送っている。 新約十八巻では窓のないビルに突入する上条たちに同行。 クロウリーの魔術思想や魔神から見た聖守護天使エイワスの正体などを伝えた他、 呪詛の魔術剣の解除をサポートしてエイワス召喚理論の歯車を狂わせ、上条の一助になった。 余談だが「所定の右肩」によじ登った際、 上条から他の女の匂いを嗅ぎ取り、上条に対する独占欲を見せている。 新約二十巻以降は上条達イギリス突入組に同行。 上条がアレイスターの作戦で振り落とされてイギリス清教に捕まった際、いち早く駆けつけて脱走を手伝った。 イシス=デメーテルに取り憑かれたオルソラとの戦闘でも引き続き上条をサポートしていたが、 上条にオルソラの猛攻から庇われた事を察し、打ちのめされた彼に言葉をかけ再起させている。 ロンドン~スコットランドでの活動間は常に上条の傍で(時に場を茶化し、親しみを込めた罵声を浴びせつつも)支えた。 リバースの試読範囲では何故か彼女の姿が見えなかったが、 「上条」は別に存在し、オティヌスもずっと彼に付いていた様子。 【余談】 非常に勘違いされることが多い例として、「上条は10032回世界を繰り返した」というものがある。 これは大きな間違いであり、あくまで校庭でのオティヌスとの直接対決が10032回というだけで上条は何百万、あるいは何千万、何億回もループを経験している。 さらにオティヌスとの直接対決で一度死ぬたびに、再度オティヌスと戦うまでにも「数千億」以上の世界を体験しているため、上条とオティヌスは年数で言えばおそらく数万、数億年もの間一緒に過ごしたと思われる。 少なくとも腐れ縁であるオッレルスすらも上回る時間を共に過ごしたようで、オティヌス自身の口からも「共に過ごした時間ももはやお前が追い抜いたか」と言われている。 そして現在作中で、唯一上条の心を完璧に折った存在でもある。 もっとも無間地獄と自己の完全否定という形でしか折れなかった上条の精神力もすさまじいものだが。 上条は「無間地獄と幸せな世界」は、かつてオティヌスが体験した事と推測している。 事実、新約九巻の行間でオティヌスと思われる人物のエピソードが綴られており、その中には「黒一色の世界」と「幸せな世界」の描写もある。 創約になりアンナ=シュプレンゲルやアリスなどの魔神とは別の魔術の超絶者が登場したが作者の後書きにより一度オティヌスの世界改編で死亡していることが明らかになった。 世界改変中、僧正ら真正の魔神を除くアレイスター以外の特殊な存在がどのようになっていたか不明だったが、今回の作者の発言から存在が消失していたと思われる。 【鎌池和馬の他作品にて】 元ネタである主神オーディンは『ヴァルトラウテさんの婚活事情』にも登場。劇中では特に尊敬されることもなく「ヒゲ」とか呼ばれる。 刊行順だと新約十巻後は本編より先に、セルフコラボ小説『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』第四章で再登場する。 『ヴァルトラウテさんの婚活事情』に登場する主神オーディンがグングニルを投擲しようとした際、 オティヌスはかつてオーディンと同一の存在であった事を利用し、短時間ではあるがオーディンへのジャミング(存在を乗っ取ること)に成功。 最終的に、異空間を彷徨っている上条たちを禁書目録の世界へと連れ戻した。 鎌池和馬公式サイト掲載のSS『合コンやってみました。ただしオールスターで世界の危機ではあるけども。』でも登場。 等身大のまま合コンに参加し、ヴァルトラウテから「ヒゲ」と呼ばれた。 インデックスいわく、「オティヌスに一切歪みが発生しなかった全力全開バージョン」が髭オーディンとのこと。 また、「魔神」であるオティヌスも「神格級」に分類されるらしく、 同作者の小説『未踏召喚 //ブラッドサイン』のメインヒロイン「白き女王」(神々の先にある未踏級)の実力には及ばない事が示唆されている。 『未踏召喚 //ブラッドサイン』本編でも「神格級」のオティヌスと青行燈がとある手法で顕現したが、 これが「禁書目録」のオティヌス(とインテリビレッジの青行燈)かどうかは不明である。 同作では既にオーディンとヴァルトラウテにも言及済みで、特に後者は『ヴァル婚』と酷似したデザインだった。 【関連】 弩(いしゆみ) 死者の軍勢(エインヘルヤル) 主神の槍(グングニル) 主神の槍(グングニル)【オティヌス】 骨船(こつせん) 北欧神話